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海上護衛戦 (角川文庫)

海上護衛戦 (角川文庫)

三十年ほど前に絶版になっていたものの再販。著者は海上護衛総司令部で参謀をやっていたひとです。総括してしまえば、海軍内での軍令部、連合艦隊司令部への恨みぶしといったところ。
海上護衛というとちょっとむずかしいかもしれませんが、簡単に言えば南方からの各種資源を船でもってくるときにその船を守るってこと。最近の言葉だとシーレーンとかが相当するか。

実際のところ南方の油田地帯を占領した時点で、護衛戦をしっかりやっていれば相当戦線も持ちこたえたでしょう。最終的には米軍にはやられると思いますが。
80年前も現代でも資源を日本に持ってくるには船で輸送するしかないので、シーレーンをどう確保するかは変わらない話。先の戦争がなぜ始まったか、どのように展開したかを戦術ではなく別の視点から考えるいい本です。