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解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯

解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯

18世紀のイギリスの外科医。当時「外科医」といっても、医者とはみなされなかったらしい。床屋の三色ポールが包帯、動脈、静脈っていうのは知られた話だけど、それと同列に見られていたようです。

この本の表紙は臨月で事故死した妊婦の腹部を開腹した絵。当然出てくるのは。当時、こういう形で収まっていたっていうのは大発見だったようです。ジョンハンターは持ち前の好奇心と、論理的な考え方で当時広まっていた紀元前からの誤った医学常識をどんどんと塗り替えていきます。当然どんな世界にもあるのは、既存組織、権威との衝突。こういうのがなくて、みんながみんな論理的な考え方ができたら科学ってあっという間に発展するんだろうけど。

途中で淋病と梅毒が同一の病気である(と信じられていた)ことを確認しようとして、自身に意図的に感染させて、症状を記録していく描写があるが、ここのところ読んでてあちこちむず痒くなる。自分の体でいろいろ試すお医者さんはいろいろ聞きますが、これは痛いというか、怖いというか。