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レイテ戦記 (中巻) (中公文庫)

レイテ戦記 (中巻) (中公文庫)

昨年だか一昨年だかのニュースでレイテ島で台風の被害が甚大なんてのがありましたが、こういう本や戦史を知っていると「レイテ」という単語にはなんだか特別な感情が込められているような気になってくる。
現地にいる実戦部隊は概ね与えられた装備と、環境でベストを尽くしている。でも、制空権も制海権もないところでいくら歩兵が頑張ったところで、空からは爆撃機が爆撃されて、山越しに敵の砲兵がバンバン地形が変わるくらい雨あられと砲弾が降り注ぐなかで、敵を排除せよったってできないものはできない。

しかもレイテ戦が行われたのは昭和19年末から20年というから、もう戦況も変わりようがないくらい悪くなっているところ。
もっと早く講和していれば、数万の英霊がいきて帰ってきていたかと思えば悲しくなる。これは米兵にも言えることで、フィリピンなんかよりも台湾や、サイゴンあたりを攻略したほうが戦略的には価値があっただろうに、マッカーサーの虚栄のために米軍も膨大な損失を出している。