属国と自主のあいだ―近代清韓関係と東アジアの命運―

属国と自主のあいだ―近代清韓関係と東アジアの命運―

読みましたよ。1週間もかけて。難しかったぁ。大学の講義の教科書みたいである程度東アジア近代史や中国近代史なんかを熟知した上での中国と朝鮮の関係を詳しく知りたい人ならよく理解できるかも。
すくなくとも李氏朝鮮清朝の属国なんだけども、現代のわれわれが思うような属国ではなかったらしいです。とはいえ、19世紀末に東アジアに進出していた英国や米国、ロシアなんかは清朝にたいして、「属国なんだからそれなりの責任あるんだろ?」っていって、清朝(といっても袁世凱とか李鴻章とか)は「やぁ属国なんだけど、外交とか内政は自主なんですわ」とかいう。そういってる間に李朝は「じゃぁ自主なんだから、独立国として外交関係むすんでいいんだよね」とばかりに米国や欧州に外交官を派遣するんだけど、清朝はこれに待ったをかける。それに対してこんどは米国や日本が文句をつけて、それに対して清朝が。。って感じです。シナと周辺各国の朝貢関係っていうのが、いかに現代人に理解しにくいものかっていうのがわかります。

とにかく本の中に出てくる単語が難しいし、引用部分には漢文あり、読み下し文あり、候文あり、英語あり、ロシア語あり(これは読めないけど)で大変読むのに時間がかかりました。

もうちょっと東アジア近代史を勉強してからもう一回読むとよくわかるかもしれないです。