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銀河鉄道の夜 (角川文庫)

銀河鉄道の夜 (角川文庫)

他人の夢のなかを覗いているような感覚。いろんな描写が複雑で、音感的で計算機屋さんには良くわからないぞ。たとえばこんな表現。

その人は指を一本あげてしずかにそれをおろしました。するといきなりジョバンニは自分というものが、じぶんの考えというものが、汽車やその学者や天の川や、みんないっしょにぽかっと光って、しいんといなくなって、ぽかっとともってまたなくなって、そしてその一つがぽかっとともると、あらゆる広い世界ががらんとひらけ、あらゆる歴史がそなわり、すっと消えると、もうがらんとした、ただもうそれっきりになってしまうのを見ました。だんだんそれが早くなって、まもなくすっかりもとのとおりになりました。

なに?どういう絵を浮かべればいいんだろう。小学生や中学生くらいだとわかるのかな。あんまり考えちゃいけないものかもしれない。