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ペリリュー・沖縄戦記 (講談社学術文庫)

ペリリュー・沖縄戦記 (講談社学術文庫)

海兵隊へ入隊した著者の従軍日記。太平洋戦線の陸戦って米軍の圧倒的戦力で押しまくったようなイメージがあるけれども、米軍の兵隊からみるとそんなこともないもよう。まぁ、本気で殺し合いしているんだからそれはそうか。
日本軍側のこういう書き物はいろいろ読んだことはある。だいたい出てくるのは戦闘の恐怖よりも、まずは飢餓の恐怖。毎日カンパン1枚半くらいで塹壕ほって、コップいっぱいの水で一日過ごすような。それに比べて、米兵側はレーションがまずいとか、充分じゃないとかという記述はあるけれど、曲がりなりにも戦闘に集中できている様子がわかる。

戦争に補給が重要なのはナポレオン戦争以来の常識で、ヨーロッパ戦線後半では米軍は戦闘要員の10倍の後方要員を抱えていたとのこと。おそらく太平洋戦線ではそんなには多くないとはいえ、同数程度の後方要員がいたんだろう。