995/1000
- 作者: 大岡昇平
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 1974/10/10
- メディア: 文庫
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昨年だか一昨年だかのニュースでレイテ島で台風の被害が甚大なんてのがありましたが、こういう本や戦史を知っていると「レイテ」という単語にはなんだか特別な感情が込められているような気になってくる。
現地にいる実戦部隊は概ね与えられた装備と、環境でベストを尽くしている。でも、制空権も制海権もないところでいくら歩兵が頑張ったところで、空からは爆撃機が爆撃されて、山越しに敵の砲兵がバンバン地形が変わるくらい雨あられと砲弾が降り注ぐなかで、敵を排除せよったってできないものはできない。
しかもレイテ戦が行われたのは昭和19年末から20年というから、もう戦況も変わりようがないくらい悪くなっているところ。
もっと早く講和していれば、数万の英霊がいきて帰ってきていたかと思えば悲しくなる。これは米兵にも言えることで、フィリピンなんかよりも台湾や、サイゴンあたりを攻略したほうが戦略的には価値があっただろうに、マッカーサーの虚栄のために米軍も膨大な損失を出している。
994/1000
元華族たちの戦後史 没落、流転、激動の半世紀 (講談社+α文庫)
- 作者: 酒井美意子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/06/21
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著者は加賀前田家出身で、旧姫路藩主の酒井家(雅楽頭)へ嫁いだ方。
文章がうまい。いろいろと裏話的なエピソードがあって興味深い。
こういう書籍には書けることとかけないことがあるから、書いてあることが全部本当だとしても、書いていないいろんなことがあるんだろうなぁと想像しながら読むのがいいのではと。
回想録や戦記モノはまぁ5割引くらいで評価するんでしょうか。
992/1000
- 作者: 磯田道史
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2013/12/18
- メディア: 文庫
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著者は「武士の家計簿」の人。新書っぽい読みやすさを期待してたんですが、全くさにあらず。
完全に学術論文でした。まぁそれはそれで。
内容は武士と一言でいってもいろいろ階級があるね、とか、階級の再生産はどうやってたのかとか、階級間の移動がどうか、武士の懐事情がどうかとかを残されている藩資料をもとに分析して解説、論評。いやすごいなぁと思うのはほんの200年ほど前の風俗とか、世俗がよくわかってないってことや、そういうことを分析できるだけの分量の資料がちゃんと整理されて残されていること。岡山藩の池田家文書なんか岡山県史に編纂されて活字になってる。
991/1000
- 作者: 伊藤貞夫
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/07/10
- メディア: 文庫
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レスリングでも「グレコローマン」という競技があったり、ギリシャ・ローマ時代なんて表現があるように古代のギリシャと古代ローマ帝国って割とひとまとめにされがちだけど、時間にして200〜300年ほど差がある。それに文化的にも社会的にも全然似てない。
地中海がベースになってるってことでギリシャ、フェニキア、ローマそれぞれベースとは共通するところはあるかもしれないけれど。
現代の国家感ではローマ帝国については理解できるところはあるけれど、ポリス制や、直接民主制とか、市民の特権化、同盟を通じた他ポリス支配なんかは感覚的によくわからない。陶片追放なんかポピュリズムそのもの。3,000年経過しても人類はそれほどおりこうにはなっていないのを実感できます。
990/1000
- 作者: 野田宣雄
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2014/08/20
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先の大戦のついて太平洋、アジア地域方面での経過についての資料や著作はさすがに豊富にあるし、たくさん読んだような気がします。ところが「世界大戦」としてのもう一方面である欧州戦争についての資料は以外に少ない。個別の戦闘や、概略については実はよく知らないのが常々きにかかっていました。
タイトルにつられて読んだこの書籍、ナチスの結党から政権奪取に至る経緯、その背景や国際関係、英国、フランス、ソビエトの状況について簡略かつ明快に解説してくれます。
オーストリア、チェコスロバキアの併合、イタリアとの同盟、英国の政治情勢などなど、大戦に突入した経緯がよくわかる一冊でした。
989/1000
- 作者: 杉浦日向子
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1998/03
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江戸時代の暮らしや文化を豊富なイラスト入りで紹介。江戸時代といっても250年ほど幅があるわけですが、美人画でも時代によってい様々に変化しているのが当たり前だけど、新鮮。
明治前の時代では髪型と服装で社会的地位がほぼ特定できたみたいですね。便利といえば便利。