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検閲された手紙が語る満洲国の実態

検閲された手紙が語る満洲国の実態

記念すべき100冊目。何年か前に関東軍が廃棄しそびれた検閲資料が発掘されたらしくて、それを研究したレポート。手紙の中身から当時の満洲にすんでいた人たちの思想や、生活ぶりなどをあぶりだしています。おおむね、「圧迫されていた」、「食料が足りない」、「ノモンハンがどうの」と日本政府とその政策を批判する内容になっていますが、少々内容が偏っている印象。検閲資料は関東軍が燃やしそびれて、穴の中に埋めたものを発掘したもの。可読資料は非常に限られていて、関東軍憲兵隊が検閲していた時期の限られた時期。特に引用されている時期は1943年が多く、先の大戦も行き詰っていた時期で本土でも食糧事情は良くなかった時期。それに、検閲されて記録に残っているということは、それなりに内容に問題があるものばかりなはず。それを取り出して云々いうのはサンプルが偏っていると思うのだが。