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- 作者: 松本仁一
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2008/07/04
- メディア: 文庫
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昔朝日新聞に連載されていた記事の単行本。カラシニコフ銃っていうのはAK-47とも呼ばれる自動小銃で、最初ソ連で作られて、その後東側各国でライセンス生産されて、いろんなバリエーションがある。生産開始が1949年だから、60年以上たった現在でも流通していて、いまや1億丁以上が生産されたとのこと。
弾丸が発射されたときに生じるガス圧を利用してピストンを動作させて、次弾を装填するという仕組みで連続して弾丸が発射できるのが自動小銃。それが毎秒数百っていうサイクルで動作するので、火薬のかすとか、土や埃なんかが入り込むとすぐに玉づまりを起こすらしい。
第二次世界大戦直後のソ連開発陣では、精密につくることで玉詰まりを回避しようとしたけどうまくいかず、銃開発では専門教育をうけていないカラシニコフ氏(戦車隊出身)が設計した「スカスカ設計」でつくったAK-47が大成功したとのこと。
ある程度の改修はあるにしても、同一設計でこれだけ息が長い製品っていうには他にないんじゃないかな。
耐久性についてはいろいろと話が紹介されていて、
- ベトナム戦争末期には、米軍は鹵獲したAK-47を使用していた。M16は熱帯では使えなかったらしい。
- アフガンでタリバン政権後の暫定政府軍を組織した米軍は、AK-47を正式銃に採用。
- ひん曲がった玉を装填しても、通常どおり発射。他の銃なら暴発する。
などなど。
これだけのベビーデューティーぶりは、ほとんどメンテしなくても、あるいは簡単なメンテで使い続けられるということで、ゲリラ活動にはうってつけ。
当書では、上記のようなカラシニコフ銃の優秀性(カラシニコフ氏への直撃インタビューあり)と、その銃でもって秩序がこわされる様子がレポートされています。